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本当の豊かさとは

Donald Trumpがアメリカ大統領となってから、
テレビやネットで見聞きするアメリカは
移民排除政策や露骨な人種差別的問題など、
「ちゃんといい人もいるのになぁ…」
「みんながみんな、変なアメリカ人ばかりじゃないんだけど…」
と、思う程、酷い有様。変な人は日本にも大勢いいますが(笑)
日本同様、資本主義で流れの『速い』アメリカ。
貧富の差が激しくて、ブランド志向の強さが浮き彫りに。
そんな中、昨日はゆったり穏やかで、
心温まる番組をじっくり見ました。

2008年に92歳で亡くなった、
アメリカの絵本作家、Tasha Tudor(ターシャ・テューダー)の
孫一家の秋・冬の生活についての番組でした。
幼少期から好きだったTasha Tudorの絵本。
彼女が亡くなって10年が経ちましたが、
今までも何度か彼女の特集をNHKで見てきました。
そして今は孫一家の可愛い二人の子どもたちがメイン。
彼女たちはホームスクールで、
学校には一切行かずに、両親から様々なことを
体験しながら学んで育っているとか。
学校に行かないからといって勉強していないわけではなく、
まだ小さな子どもたちなのに
言葉の使い方とか形容詞が豊富で、
とてもコミュニケーション能力が高い。
何より、両親が何でも教えてしまわずに、
想像させながら色々と学ばせていることには
とても感心しました。
流石だな…と、わくわくしながら見ました。

時間に縛られることなく、じっくり時間をかけて
納得するまで考えて答えを出す日々。
食事は家族そろって食べ、
コミュニケーションを深め合い、
お互いを否定せず考えて行動する。

植物や動物とたくさん触れ合い、
その短い命の終わりに対しても、目をそらさず向き合う。
もちろん、テレビもスマホもない生活。
読書とお絵かきと、庭の動植物と、
地元の農家や野生動物保護活動家との触れ合いが勉強。
日本ではなかなか考えられない教育方法です。

まぁ、人それぞれでしょ、と言われたらそれまでだけど、
せっかく奇麗な一軒家なのに、
何にも植物が無い家を見ると、
「うわ、さむっ!!!」と冷たさを感じるし。
身近な自然と触れ合う経験もせずに育つって
どんなものだろうか…って思ったり。
冬の間枯れていたような植物が春先に新芽を出し、
蕾を膨らませて花を咲かせたり、その香りに包まれたり。
虫退治に追われるけど、それはそれで面白いし。
子どもの時にそういう経験をしたからか、
ちょっとした自然の変化に敏感になれる幸せもあるのに。

今回のこの番組を見ながら、
本当の豊かさって一体何だろう…と、
改めて考えさせられました。
日本とアメリカの学校教育しか知らないけど、
私が日々向き合っている日本の学校教育って
子どもたちにとって本当に豊かなものなのだろうか…
と、本気で考えさせられました。

生徒たちを見ていると、
言われた通りに行動をとることが出来たとしても、
自分の意見が言えない。
例えば、何か一つ課題を出したとしても、
「どうやって調べるんですか?」とか、
「こんなこと考えたところで、何の意味があるんですか?」とか、
質問しても「別に」とか「面倒くさい」とか、
そんな答えばかり。
私が教えている英語は、塾で教える英語とは違います。
あくまでもコミュニケーションをとるための英語力。
こちらがどんなにボールを投げてキャッチしてくれても、
生徒たちからボールを投げてはもらえません。
自分の教える能力に問題があるのか…と悩んだこともありますが、
ちょっと待てよ、違うかも… と思うことが多いです。
やはり、ただただ詰め込み勉強ばかりさせられているからか、
自ら物事を考えて、想像して、意見を言うことに
慣れていないだけじゃないのかしら…
有名中学、有名高校、有名大学に入ることばかりを優先し、
学校のみならず塾で知識を頭に詰め込めたとしても、
頭でっかちで想像力やコミュニケーション能力の乏しい子どもたち。

今は『無駄』と思えるかもしれないことが
年齢を重ねると大切な思い出になっていたり、
年をとってから趣味や考え方の幅が広がったりすることって
結構あるのになぁ… と思います。
どうせ日本を出るつもりもないから、
異文化を学ぶのが面倒くさい、とか平気で言う生徒を見ると、
どういう環境で育っているのだろうか…と悲しくなるというか何というか。

英語・英会話力が身に付くと、世界観が変わります。
字幕や通訳なしで外国の人とコミュニケーションが取れた時、
とてもワクワクドキドキするのよね…
アメリカに行って何が楽しかったかって、
アメリカ生まれアメリカ育ちのアメリカ人のみならず、
アジア、ヨーロッパ、中東、アフリカ、南米の世界中の人たちと
英語で挨拶して会話して、考え方の違いにカルチャーショックを
受けながら、日々生活できたこと、でしょうか。
この辺ではそういう経験をする場が限られているし、少ない。
だからこそ、私の知っている範囲内で
生徒たちに様々な文化をちょっぴり紹介しながら
コミュニケーションの幅を広げてほしいと、切に思います。
点数ばかりを要求し過ぎず、何のために進学校を受験し、
そこで何を学び、将来何をしてどんな大人になりたいのか、
家庭内で穏やかに話し合える関係って素敵なのにな、と思います。

Tasha Tudorのひ孫の可愛い女の子たちを見ていて、
本当に色々考えさせられました。



by ecc_nagai | 2019-02-14 09:29 | つぶやき