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Hedgerowから学ぶこと...

昨日は節分。今日は立春。少しずつ、春の足音が聞こえてくる季節です★
節分は旧正月ですから「明けましておめでとう」と改めて言ったり、初詣に行くのもよいとか。
そう、昨日までが昨年・・・と思えば、今日から新しい年の幕開け024.gif 何だか気分も晴れやかになります。皆さんも、豆まきしましたか? 本当、『鬼は外ー!!!』ですね。自分にとって嫌な鬼は、どんどん外に出ていってほしい。でも場所によっては『鬼も内』らしいですよ006.gif

さてさて、先日、ある園芸雑誌でイギリスの田園風景には欠かせない"Hedgerow"についての記事を読み、興味があったので調べてみました。嬉しい事に、ちょうどそれについてのテレビ番組が放送されたので、じっくり見入ってしまいました。

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今まで、イギリスの田園風景を見るたびに目にしていたものの、特に気にもとめていなかったので、その目的や維持の大変さを知ることはあまりなかった・・・ 調べてみて驚き005.gif その大きな意味と目的を学び、奥の深さに感動です★
その歴史は紀元2世紀にさかのぼりますが、第二次世界大戦直後、食糧難を解決するために歴史あるこの"Hedgerow"を除去し小麦栽培農地の拡大運動が・・・ それは景観を無残に破壊しただけでなく、環境にも影響したらしいです。動物の生態系を狂わせただけではなく、雨季には洪水が発生したりと甚大な被害が出たほど。そこで、1985年にイギリス政府は農家への補助金を支出し、何とか歴史ある"Hedgerow"の修復や保存を始めたのです。環境問題が何かとニュースになる時代、その役割は大きい・・・
"Hedgerow"は野の花や草や木々、そして鳥、蝶、昆虫、小動物の安全な繁殖場所にもなっています。テレビでも見ましたが、そこでは立派な食物連鎖がありました。

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昆虫や木の実・果実を食べるネズミやモグラ、ウサギたち。それを狙うキツネやフクロウや鷲&鷹。そして、増えてしまった野ウサギは野菜や草木を食べつくしてしまうので、人間がハントする。逃げ惑ううさぎを銃で仕留める光景には目を覆ってしまいますが、これも仕方の無い厳しい現実。イギリス人もフランス人も、ドイツ人もうさぎが好きですからね・・・私は苦手020.gif ペットとして飼われる動物を好んで食べようとは、どうしても思えない。偽善者扱いされても別に良いです。
さて、その作り方も様々。でも、生垣なわけだから、毎年の剪定や植え替え、肥料やりなども欠かせません。立派なガーデニングの基礎がそこにありました。ローズヒップを付ける野バラや、美味しい実を付けるブラックベリーやエルダ―ベリー、香りの良いハニーサックルなどの様々なつる性植物が植えられています。無農薬だから虫もつくけど、その虫を食べる小動物や野鳥にとっては食糧の宝庫。そして、そこは『蝶が入っても通り抜けられない』程度の密度で植物が生育しているので、そんな小動物の繁殖地や「逃げ場」にもなっている。牛や羊などの家畜が倒せないほどの強度も保たれています。全て「マニュアル」な感じが素晴らしい★

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世界中のガーデニング・ファンが憧れる、イギリスのCotswolds(コッツウォルズ)★ 周りの美しい田園風景に、建物の色も統一されていて美しい。どちらもバランス良く、景観を保っています。地震の無い国はレンガや石造りの建物が多いので、羨ましいです。

日本が何も、イギリスのようになる必要はないのですが、どうしても日本は利益優先で環境や景観のことまで考えていないような気がする。自然がいっぱいの田園地帯に行くと、この壁や屋根の色は一体何…? と、ぞっとなるほど景観に合わない住居や建物が多すぎる・・・ ペンキで塗ったくったような看板があったり、色褪せた「のぼり」が立ってたり・・・ 今ではアナログテレビが山に違法に廃棄されている状況。西洋文化が全て良しとは思わないけど、日本人の環境に対する良心や自然への美的センスはどこへ行ったのかと思ってしまう現状がとても残念。多少古ぼけていても、維持は大変でも、昔ながらのかやぶき屋根の建物が美しく感じられるこの頃です。

by ecc_nagai | 2011-02-04 09:52 | Gardening:ガーデニング